Quick Answer
健康経営は、「経営方針を決め、現在地を知り、優先課題を一つずつ改善する」ことから始めます。
最初から多くの施策を導入する必要はありません。経営者が目的を言葉にし、健康診断、ストレス、欠勤、時間外労働、相談体制、食生活、治療や介護との両立などを確認します。その中から自社への影響が大きく、実行できる課題を選びます。
認定は取り組みを整理する節目の一つです。まずは現場で使われ、働く人に届く仕組みを整えます。
01 / Definition
健康経営とは何か
健康経営とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、健康の保持・増進につながる取り組みを戦略的に実践する考え方です。健康施策を福利厚生として切り離さず、人材定着、働きやすさ、生産性、安全、組織づくりなどの経営課題とつなげます。
経営方針
なぜ取り組むのか、会社として何を大切にするのかを示します。
働く人の状態
身体、こころ、働き方、生活、相談環境の現在地を確認します。
実行できる施策
課題に合う取り組みを選び、担当者、期限、利用方法を決めます。
評価と改善
利用状況と変化を確認し、続ける施策・見直す施策を判断します。
02 / First Steps
健康経営を始める6つの手順
- 取り組む目的を決める
定着、欠勤、安全、働きやすさ、採用、認定など、自社が優先する経営課題を整理します。
- 経営者の方針を言葉にする
健康経営を人事任せにせず、会社として取り組む理由と方向を伝えます。
- 現在地を確認する
健康診断、ストレス、欠勤、残業、相談、両立、食生活、従業員の声を確認します。
- 優先課題を絞る
影響の大きさ、緊急性、実行可能性から、最初に取り組む課題を一つから三つに絞ります。
- 担当・期限・確認方法を決める
誰が、いつまでに、何を行い、どの数値や声で変化を確認するかを決めます。
- 実施後に振り返る
参加率だけでなく、利用しにくさや現場の変化を確認し、次の改善へつなげます。
03 / Priority Areas
健康経営で確認したい主な領域
| 領域 | 確認する内容 | 取り組みの例 |
|---|---|---|
| 健康診断・保健指導 | 受診状況、再検査、受診後の支援 | 受診勧奨、再検査の案内、相談先の周知 |
| メンタルヘルス | ストレス、相談しやすさ、管理職の初動 | ストレスチェック、相談窓口、管理職研修 |
| 働き方 | 時間外労働、休暇、勤務間の休息、業務負担 | 業務の詰まり確認、休暇取得支援、勤務調整 |
| 両立支援 | 治療、育児、介護と仕事の両立 | 相談手順、復職支援、柔軟な働き方 |
| 生活習慣 | 食事、運動、睡眠、喫煙、飲酒 | 健康社食、歩く機会、睡眠情報、禁煙支援 |
| 組織・コミュニケーション | 会社理解、定着意向、管理者負担、相談環境 | 従業員の声の確認、面談、管理職支援 |
すべてを同時に始めるのではなく、現在地と経営課題が重なる領域から優先します。法令上必要な対応と、会社独自の改善施策も分けて整理します。
04 / Examples
中小企業で始めやすい取り組み例
健康診断後の対応を整える
受診で終わらせず、再検査や相談が必要な従業員へ案内できる流れをつくります。
相談先を一枚にまとめる
心身の不調、治療、育児、介護、ハラスメントなど、相談先と手順を分かりやすくします。
管理職の抱え込みを確認する
部下支援だけでなく、管理職自身が相談できる相手と初動の仕組みを整えます。
食事の選択肢を増やす
夜勤や周辺環境も考慮し、健康的な食事を利用しやすい職場環境を検討します。
従業員の声を確認する
制度があるかだけでなく、実際に利用できるか、困りごとがないかを確認します。
小さな目標を決める
一つの施策に期限と確認指標を設定し、実施後に続けるか見直すかを判断します。
05 / Recognition
健康経営優良法人認定を目指す場合の準備
健康経営優良法人認定制度は、特に優良な健康経営を実践する法人を認定する制度です。大規模法人部門と中小規模法人部門があり、部門や年度によって申請方法・要件・期間・申請料などが定められます。
経済産業省の発表では、健康経営優良法人2026として大規模法人部門3,765法人、中小規模法人部門23,085法人が認定されました。中小規模法人部門では上位法人に「ブライト500」「ネクストブライト1000」の区分があります。
- 自社の申請部門を確認する
業種、従業員数等から、当該年度の大規模法人部門・中小規模法人部門の区分を確認します。
- 最新年度の要件を入手する
申請要件、申請期間、申請料、健康宣言等の前提条件を公式情報で確認します。
- 経営方針と推進体制を整理する
経営者の関与、担当者、社内周知、外部専門家との連携を確認します。
- 現在の取り組みと証拠を整理する
規程、案内、実施記録、参加状況、結果確認など、実際の運用を整理します。
- 不足項目を実行へ移す
書類だけを整えるのではなく、従業員が利用できる仕組みとして実施します。
- 申請後も改善を続ける
認定をゴールにせず、年度ごとの結果と現場の声から取り組みを更新します。
認定要件は年度ごとに変更されることがあります。過年度の申請書だけで判断せず、申請する年度の公式資料を必ず確認してください。
06 / Measurement
健康経営の効果をどう確認するか
施策を実施した数だけでなく、利用されたか、必要な人へ届いたか、現場にどのような変化があったかを確認します。
- 健康診断の受診率、再検査・保健指導への対応状況
- ストレスチェックや相談窓口の周知・利用状況
- 時間外労働、休暇、欠勤、休職、復職の傾向
- 食事・運動・睡眠等の施策への参加状況
- 会社理解、幸福感、定着意向、管理職負担などの従業員の声
- 施策を利用しにくい理由と、次に見直す内容
短期間の変化だけで効果を断定せず、実施前の状態と比較しながら継続して確認します。個人を責めるための評価ではなく、組織として整える優先課題を考える材料にします。
07 / FAQ
健康経営についてよくある質問
健康経営は何から始めればよいですか?
経営課題と取り組む目的を決め、健康診断、ストレス、欠勤、働き方、相談体制などの現在地を確認します。そのうえで優先課題を一つから三つに絞ります。
従業員が少ない中小企業でも取り組めますか?
取り組めます。大規模な制度を一度に導入せず、健康診断後の対応、相談体制、食事や運動など、自社の課題に合う施策から始めます。
健康経営優良法人の認定は必須ですか?
認定取得は任意です。認定を目指さない企業も健康経営に取り組めます。認定を目指す場合は、申請年度の最新要件を確認します。
健康診断を実施していれば十分ですか?
健康診断は重要な基盤ですが、受診後の対応、メンタルヘルス、両立支援、働き方、食生活、職場環境なども確認します。
健康経営の効果はどう確認しますか?
参加率や利用率だけでなく、欠勤、時間外労働、相談状況、健康診断後の対応、従業員の声などを継続して確認します。
ストレスチェックや社食を導入すれば十分ですか?
どちらも施策になり得ますが、一つだけで十分とは限りません。自社の課題に合うか、利用されているか、改善につながっているかを確認します。
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